yppush
ユーティリティは、NIS ドメインにおいて、更新した NIS データベース(もしくは
マップ)
を NIS マスタサーバから NIS スレーブサーバへ配布します。
通常、NIS マップが更新された場合に NIS マスタの
/var/yp/Makefile
からのみ起動されます。
/var/yp/Makefile
はデフォルトでは
yppush
を起動しない事に注意して下さい:
これを変えるにはまず、Makefile 中の
"
NOPUSH=True"
エントリをコメントアウトしなければなりません
(デフォルトの
FreeBSD
の設定は小さなネットワークに
単一の NIS サーバがある状況を想定しています; この様な設定では
yppush
は不要です)。
デフォルトでは、
yppush
はドメイン内のスレーブサーバ名を決定するために
ypservers
マップを検索します。
宛先ホスト (もしくはホストのリスト) は手動でコマンドラインから指定可能です。
スレーブサーバのリストが与えられると、
`マップ転送' 要求を各スレーブに送信します。
今度はスレーブが、
ypxfr(8)
を使用して、NIS マスタサーバからマップのコピーを読み取ります。
コピーされるマップ名と
ypxfr(8)
が
yppush
に `コールバック' して転送を完遂するために必要な特別な情報とが、
各リクエストに含まれます。
コールバックにおいて
yppush
が
ypxfr(8)
から受け取るエラーメッセージは全て標準エラー出力に出力されます。
以下のオプションが使用可能です:
-d domain
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ドメイン名を指定します。
ローカルホストの NIS ドメイン名がデフォルトで使用されます。
ローカルホストのドメイン名が設定されていない場合には、
このフラグでドメイン名を指定しなければなりません。
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-t timeout
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タイムアウト値を秒単位で指定します。
このタイムアウトは、
yppush
がリスト中の次のスレーブサーバ宛にマップ転送要求を送る前に
返答をどれくらい待つかを制御します。
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-j #parallel jobs
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yppush
ユーティリティは通常、転送を逐次的に行います。すなわち、
マップ転送要求を一つのスレーブサーバに送り
次のスレーブサーバに取り掛かる前に返答を待つということです。
多くのスレーブがいる環境では、
同時に複数のマップ転送を開始し、転送を並列に行う方が効率が良くなります。
-j
フラグにて並列処理するジョブ数を指定します:
yppush
は指定された数の転送をすぐに開始し、返答を待ちます。
並列ジョブ数がスレーブ数より少ない場合は、
yppush
は指定されたジョブ数の処理のみを開始し、返答を待ち、
処理が完了してから残りの処理に取り掛かります。
yppush
はコールバックを非同期に取り扱う事に注意して下さい。
これはどういうことかというと、
全てのマップ転送要求を送信する前であろうとも、
ypxfr(8)
からコールバック情報を受け取るとすぐに、
この情報を表示する事を意味します。
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-h host
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ypservers
マップ中のサーバのリストの代わりに、
ユーザが指定するマシンもしくはマシンのグループ宛にマップを転送できます。
複数のホストを指定するためには、複数の
-h
フラグを使用します。
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-p path
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デフォルトでは、
yppush
は全てのローカル NIS マップは
/var/yp
以下に格納してあると期待しています。
-p
フラグにて別のパスを指定することにより、
システム管理者が NIS マップを別の場所に格納する状況に対処できます。
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-v
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冗長モード:
yppush
の実行時にデバッグ情報を表示させます。
このフラグを 2 回指定すると、
yppush
はより冗長に情報を表示します。
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