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manページ  — LKM

名称

lkm – カーネルモジュールを動的にロードする機能

内容

解説

動的にロードするカーネルモジュールを用いることにより、システム管理者は 実行中のシステムに動的に機能を加えたり取り除いたり出来ます。 更に、この機能によりソフトウェア開発者は 自らの変更をテストする為に頻繁に再起動をかける事を避けながら カーネルの新しい構成部品を開発することもできます。

多様なタイプのモジュールをシステムにロードすることが出来ます。 後述するように、定義されたモジュールのタイプが幾つかあり、 これらのタイプ毎に予め決められた方法でモジュールはシステムに付加されます。 その上、一般的なタイプもあって、このタイプについてはモジュールは それ自体がローディングとアンローディングを処理するものと します。

FreeBSD システムでは動的にロードするカーネルモジュールを広汎に利用していて、 大部分のファイルシステム、 NFS クライアントとサーバ、全てのスクリーンセーバ、そして iBCS2 Linux エミュレータなどについて動的にロードするバージョンを 提供しています。 システムと共に配布されたモジュールは /lkm ディレクトリにあります。

lkm インタフェースを利用するには /dev/lkm デバイスに対して ioctl(2) システムコールを 発行します。 通常、動的にロードするカーネルモジュールに関わる全ての操作は、 modload(8) と modunload(8) と modstat(8) の プログラムにより処理されます。 ユーザは直接 /dev/lkm に関与する必要は無い筈です。

モジュールのタイプ

システムコールモジュール システムコールは新しいシステムコールを lkm インタフェースを通してロードすることにより置き換えること が出来ます。 全てのシステムコールを置き換えることが出来ますが、しかし ioctl(2) システムコールに関しては特に注意を払わなければなりません。 何故なら、このシステムコールがモジュールのロードとアンロードに 用いられているからです。

システムコールモジュールがアンロードされるときには、 動的にロードされたモジュールにより置き換えられていたシステムコール はシステムコールテーブルの適正な位置に戻されます。

仮想ファイルシステムモジュール 仮想ファイルシステムは lkm インタフェースを通してロードできます。
"デバイスドライバモジュール 新しいブロック型と文字型のデバイスドライバを LKM を用いて、システムにロードすることが出来ます。 デバイスドライバをロードする場合の主要な問題は アクセスするデバイスに対応してドライバのデバイスノードが 存在しなければならないことです。 これらのデバイスノードを作成するには通常 ドライバのロードが成功した場合に 適切なプログラムを実行するよう modload(8) に指定する事により行います。
実行クラス イメージアクティベータ (image activator) としても知られています。 実行クラスとは、これにより execve(2) システムコールが実行可能ファイルの形式を識別してメモリにロード できるような機構です。
雑モジュール 雑モジュールは、いまのところ明確に定義された、あるいは 一般的となっている拡張のためのインタフェースがないモジュールです。 ユーザは固有のローダを書かなければなりません。 新しいモジュールのロード時およびアンロード時に、 そのモジュールを有効化および無効化するために 必要となるすべてのカーネルデータを、このローダが操作します。

関連ファイル

/dev/lkm lkm インタフェースデバイス
/lkm システムと同梱されたモジュールのバイナリが置いてあるディレクトリ
/usr/include/sys/lkm.h モジュールタイプの定義が置いてあるファイル
/usr/share/examples/lkm
  2タイプのモジュールを実装しているソースコードの例

関連項目

modload(8), modstat(8), modunload(8)

バグ

モジュールが正しい初期化に失敗し、更にシステムがこの失敗を見つけることが 出来た場合には、システムは直ちにパニックによる再起動を行います。

システムの内部のインタフェースが変更された場合には、 古いままのモジュールはしばしばこの変更を発見できないので、 このようなモジュールはロードされた時に しばしばクラッシュするかまたは不可解な機能不全を起こします。

作者

lkm の機能を最初に実装したのは Terrence R. Lambert です。 動的にロードするファイルシステムを実装したのは Garrett Wollman です。 動的にロードする実行クラスを実装したのは David Greenman Soren Schmidt Garrett Wollman です。

歴史

この lkm 機能は SunOS 4.1.3 が実装した動的にロードするカーネルモジュールと機能が類似するように 設計されています。

FreeBSD 2.0 LKM (4) January 17, 1996

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