総合手引 | セクション 8 | オプション |
唯一必須である引数は
source
のホスト名もしくはアドレスです。
デフォルトの
receiver
は mtrace を実行しているホストとなり、デフォルトの
group
は 0.0.0.0 となります。特定のマルチキャストグループ
でのパケット消失の統計が必要でなければ、これで十分です。
以下に解説されているいくつかの制約を条件として、
特定の group でのいくつかの他の
receiver をテストするために、これらの 2 つのオプションの引数を
指定することができます。
receiver
はユニキャストアドレスであり、
group
はマルチキャストアドレスであることより、これらの 2 つの引数を
区別することができます。
注: Solaris 2.4/2.5 ではマルチキャストインタフェースがデフォルトの
インタフェースでなければ、
以下のオプションが使用できます:
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応答がないルータを越えて、 extrahops だけのホップ数のトレースを試みます。 | |
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トレースの問い合わせを、マルチキャストではなく、ユニキャストによって
直接マルチキャストルータ
gwy
へ送ります。
このマルチキャストルータは意図する
source
から
receiver
への経路上の最後のホップのルータでなければなりません。
注意 !!
バージョン 3.3 と 3.5 の
mrouted
は、トレースの問い合わせがユニキャストパケットによって受信されかつ、
mrouted
に
source
への経路がないと、クラッシュします。
そのためターゲットの
mrouted
が 3.4 であるか、3.5 より新しいことが分かっていなければ、
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addr をトレースの問い合わせを送る (マルチホームホスト上の) ローカルインタフェースアドレス、および receiver と応答先のデフォルトアドレスとして使用します。 | |
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10 秒ごとにマルチキャスト経路のパケットレートと消失の統計を表示して、
無限ループします。
(
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試みの後半は、ユニキャストではなく、常にマルチキャストを使って応答を 要求します。 | |
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receiver から source へ遡ってトレースされる最大ホップ数を n にセットします。 デフォルトは 32 ホップ (DVMRP ルーティングプロトコルについては無限) です。 | |
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ホップアドレスをシンボル名および数字ではなく数字で表示します (経路上に発見された各ルータに対する ネームサーバでのアドレス-名前検索を省くことができます)。 | |
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すべてのホップに対して試みる問い合わせの最大の回数を n にセットします。デフォルトは 3 です。 | |
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router-alert IP オプションを、これが必要な要求においても使用しません。
Cisco の IOS のいくつかのバージョンでは IP オプションつきのマルチキャスト
トレースルートが扱えないため、最後のホップのルータが Cisco のものである時は、
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他から起動されたトレースによるマルチキャストの応答を受動的に聴取します。 これはマルチキャストルータ上で動作している場合に最も良く動作します。 | |
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10 秒おきに経路情報を収集しながら無限ループし
( | |
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トレースの応答を、 mtrace が実行されているホストや この目的で登録されている他のマルチキャストアドレス (224.0.1.32) ではなく、 host へ送ります。 | |
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マルチキャスト経路のみを含む短い形式の表示を行い、パケットレートと 消失統計は表示しません。 | |
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統計情報を収集する間隔を n 秒 (デフォルトは 10 秒) に変更します。 | |
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マルチキャストトレースの問い合わせと応答の ttl (time-to-live もしくはホップ数) をセットします。 ttl に 1 を使用する "全てのルータ" へのローカルな問い合わせの場合を除き、 デフォルトは 127 です。 | |
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"トンネル統計" モードです。全てのトラフィックでのロスレートを表示します。 これらの統計は非常に誤解を招くおそれのあるものです。 | |
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マルチキャストから試みるのではなく、常にユニキャストによる応答を要求します。 | |
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冗長モードです。最初のトレースのホップ時間と統計情報を表示します。最初 のトレースを転送するのに使用した経路も表示します。 | |
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トレースの応答の待ち時間を n 秒 (デフォルトは 3 秒) にセットします。 | |
マルチキャストでは逆経路転送が使われているため、トレースは receiver から source へ逆方向に実行されます。 トレースの問い合わせパケットは最終ホップのマルチキャストルータ ( receiver アドレスでの末端ルータ) へ送られます。最終ホップのルータではトレースの 応答パケットを生成し、それにそのホップでのレポートを詰め込み、 ユニキャストを使って、指定された source から送られてくるパケットにおける、そのルータの前段のホップであると 思われるルータへ、生成したパケットを転送します。 経路上の各ルータはそのパケットにレポートを追加して転送します。 トレースの応答パケットが最初のホップのルータ (source のネットワークに 直結されているルータ) に到達すると、そのルータはトレースの問い合わせに 指定されている応答の送り先アドレスへ最終的な形の応答を送ります。
経路上のいくつかのマルチキャストルータにマルチキャストの トレースルート機能が実装されていなかったり、停止しているものがあると、 応答は返されません。 この問題を解決するには、応答が返されるまでにトレースされる ホップ数を制限するための最大ホップ数フィールドを、 トレースの問い合わせに含ませます。 これによって、部分的な経路のトレースが可能となります。
各ルータによって挿入されるレポートには、ホップのアドレスだけでなく、 転送のために必要な ttl とルーティングのエラーを示すいくつかのフラグ、 それに受信と送信インタフェース上および指定された group へ転送されたパケット数の合計が含まれます。時間をあけて 2 回トレースを 行ってこれらのパケット数の差分をとり、あるホップからの送信パケット 数とその次のホップでの受信パケット数を比較することにより、パケットレートと パケット消失の統計が計算でき、ネットワークへの過負荷による問題を切 り離すことができます。
マルチホームであるホストやルータからのトレースを行う場合は、デフォルトの receiver のアドレスは source からの経路での意図したインタフェース でないかも知れません。 インタフェースを指定したい場合は、 receiver によって明示的に指定しなければなりません。
oak.isi.edu 80# mtrace -l caraway.lcs.mit.edu 224.2.0.3 Mtrace from 18.26.0.170 to 128.9.160.100 via group 224.2.0.3 Querying full reverse path... 0 oak.isi.edu (128.9.160.100) -1 cub.isi.edu (128.9.160.153) DVMRP thresh^ 1 3 ms -2 la.dart.net (140.173.128.1) DVMRP thresh^ 1 14 ms -3 dc.dart.net (140.173.64.1) DVMRP thresh^ 1 50 ms -4 bbn.dart.net (140.173.32.1) DVMRP thresh^ 1 63 ms -5 mit.dart.net (140.173.48.2) DVMRP thresh^ 1 71 ms -6 caraway.lcs.mit.edu (18.26.0.170) Round trip time 124 ms; total ttl of 6 required.
あるホップがパケットを転送するのにデフォルトの経路を使っていることを報
告すれば、
[default]
がそのホップの後に表示されます。
2 番目のセクションでは転送の経路が図によって表示されます。
データの流れは下向きの矢印で表され、問い合わせの経路は上向きの矢印で表されます。
各ホップでは、ルータの入力アドレスと出力アドレスが違っていれば、それらの
アドレスが、そのホップパケットを転送するのに必要な ttl の初期値と、
両端のルータのクロックが同期していると想定した場合のホップにまたがった
伝搬遅れとともに表示されます。
このセクションの右半分は 2 組の統計情報から構成されます。
最初のカラムには各ホップでの全てのトラフィックについての
平均のパケットレートが表示されます。
残りのカラムでは消失したパケットの数、送信したパケットの数、
消失したパーセンテージ、それに平均パケットレートが
各ホップについて表示されます。
これらの統計情報は上で解説したように
トレース間の差とホップ間の差から計算されます。
最初のグループでは、
あるホップでのインタフェースにおける全流出トラフィックと次のホップでの全流入
トラフィックの統計情報が表示されます。
2 番目のグループでは、指定された
source
から指定された
group
への転送トラフィックのみについての統計情報が表示されます。
統計の最初のグループは
これらの統計情報は各々のホップにつき 1 行か 2 行で表示されます。
オプションが何も指定されていないと、この出力中の 2 番目のセクションは最初
のトレースからおよそ 10 秒後に 1 度のみ表示されます。
各ホップにつき 1 行にその 10 秒間での統計情報を表示します。
もし
Waiting to accumulate statistics... Results after 101 seconds:Source Response Dest Overall Packet Statistics For Traffic From 18.26.0.170 128.9.160.100 Packet 18.26.0.170 To 224.2.0.3 | __/ rtt 125 ms Rate Lost/Sent = Pct Rate v / hop 65 ms ------- --------------------- 18.26.0.144 140.173.48.2 mit.dart.net | ^ ttl 1 0 pps 0/2 = --% 0 pps v | hop 8 ms 0 pps 0/18 = 0% 0 pps 140.173.48.1 140.173.32.1 bbn.dart.net | ^ ttl 2 0 pps 0/2 = --% 0 pps v | hop 12 ms 0 pps 0/18 = 0% 0 pps 140.173.32.2 140.173.64.1 dc.dart.net | ^ ttl 3 27 pps 0/2 = --% 0 pps v | hop 34 ms 26 pps 0/18 = 0% 0 pps 140.173.64.2 140.173.128.1 la.dart.net | ^ ttl 4 83 pps 0/2 = --% 0 pps v | hop 11 ms 79 pps 0/18 = 0% 0 pps 140.173.128.2 128.9.160.153 cub.isi.edu | \__ ttl 5 83 pps ?/2 0 pps v \ hop -8 ms 79 pps ?/18 0 pps 128.9.160.100 128.9.160.100 Receiver Query Source
パケットのカウント数はトレースの問い合わせが伝搬するとともに変化するた め、統計情報中には小さな誤差 (1 か 2 のずれ) が含まれることがあります。 しかし、これらの誤差は累積されるべきではないため、累積統計行では あらたなトレースが 10 秒ごとに実行されるたびに精度が増さなければなりません。 大きな誤差の要因としては 2 つあり、このいずれもマイナスのロスとして現われます。
あるノードへの入力カウントが他のノードがアタッチされているマルチアクセス ネットワークからのものであれば、入力カウントはアタッチされている全てのノード からの出力カウントの総和となります (もしくは近くなります) が、 トレースしている経路上のその前のホップからの出力カウントは その単なる一部分となります。 そのため、出力カウントから入力カウントを引いたものはマイナスの値になります。
SunOS およびその他のシステムにおける DVMRP マルチキャスト転送ソフトウェアの リリース 3.3 では、ルータにおいて生成されたマルチキャストパケット はインタフェースに入力されていない場合においても、入力されたものとして カウントされます。 これは上の例において見ることのできるマイナスのロスとなります。
これらのマイナスのロスはプラスのロスを隠してしまうことが あることに注意してください。
この例ではまた、1 つマイナスのホップの時間が表示されています。 これは単にそのホップ間でのシステムクロックが同期していないことを示しています。 この例ではまた、送られたパケットの数が 10 より少ない時には、パーセンテージの 値は統計的に有効ではないため、ロスのパーセンテージが 2 つのダッシュ として表示されることも示しています。
2 番目の例では ローカルでない receiver へのトレースを示します。
問い合わせは
oak.isi.edu 108# mtrace -g 140.173.48.2 204.62.246.73 \ butter.lcs.mit.edu 224.2.143.24 Mtrace from 204.62.246.73 to 18.26.0.151 via group 224.2.143.24 Querying full reverse path... * switching to hop-by-hop: 0 butter.lcs.mit.edu (18.26.0.151) -1 jam.lcs.mit.edu (18.26.0.144) DVMRP thresh^ 1 33 ms Output pruned -2 bbn.dart.net (140.173.48.1) DVMRP thresh^ 1 36 ms -3 dc.dart.net (140.173.32.2) DVMRP thresh^ 1 44 ms -4 darpa.dart.net (140.173.240.2) DVMRP thresh^ 16 47 ms -5 * * * noc.hpc.org (192.187.8.2) [mrouted 2.2] didn't respond Round trip time 95 ms
MTRACE (8) | May 8, 1995 |
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