総合手引 | セクション 5 | English | オプション |
amd.conf は、自動マウントプログラム amd(8) 用の実行時コンフィギュレーション情報を含んでいます。
このファイルは行指向です。すなわち、改行までの各行は、 1 つのコメント、セクション名あるいはパラメータを表します。 継続行を記述する方法はありません。
セクション名、パラメータ名及びその値は、大文字小文字を区別します。
パラメータ中の最初の等号のみ重要な意味を持ちます。 最初の等号の前後にある空白は取り除かれます。 セクション及びパラメータ名の中の先頭、末尾あるいは途中にある空白は 意味を持ちません。 パラメータ値の先頭や末尾にある空白は取り除かれます。 パラメータ値内部に空白を置くことはできません。 ただし、 'name = "some value"' のように、パラメータ値全体を二重引用符でくくった場合を除きます。
井桁記号 (#) で始まる行は無視されます。 空白文字のみ含む行も同じく無視されます。
パラメータ記述において等号に続く値は文字列ないしブール値です。 文字列の場合、空白を含まなければ引用符は不要です。 ブール値の場合は yes あるいは no と記述します。 すべての値において大文字小文字が区別されます。 キャッシュタイムアウトのような一部の項目は数値をとります。
このセクションはコンフィギュレーションファイル中の最初に記述しておくことを 強く推奨します。 もしそうしなければ、グローバルセクションより先に記述された 通常マップセクションでは、後に定義されるグローバルな値を利用できません。
browsable_dirs | |
(文字列、デフォルト = no) "yes" にすると、amd のトップレベルのマウントポイントが readdir(3) 呼び出しでブラウズ可能になります。 つまり、例えば ls(1) を実行することでそのディレクトリでどんなキーがマウント可能か 知ることができるようになります。 必ずしもすべてのエントリが readdir(3) に対して見えるようになるわけではありません。 " /default" エントリやワイルドカードエントリ、さらに " /" を含むエントリは見えるようになりません。 もしこのオプションに対して "full" を指定すれば、 " /default" 以外はすべて見えるようになります。 注意: もし "ls -l" や "ls -F" のような stat(2) を行おうとするコマンドを走らせると、 amd はそのマップ中の すべての エントリをマウントしようとします。 これはよく mount storm と呼ばれます。 | |
map_options | |
(文字列、デフォルト = オプションなし) このオプションは、例えば ‘cacheamp;:amp;=all’ のように、 amd のコマンドラインでマップオプションを指定するのと同じ働きをします。 | |
map_type | |
(文字列、デフォルト = 全マップタイプを検索)
このオプションが指定されると、amd は指定されたタイプに対するマップのみ
初期化します。
amd
のデフォルトのマップ検索は時間がかかるうえ、
使っていなくても
NIS
を初期化してしまうといった
望まない副作用を持つことがありますが、
そのような事態を避けるのにこのオプションが有効です。
指定可能な値は以下のものです。
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file | 通常ファイル |
hesiod | MIT の hesiod ネームサービス |
ldap | 軽量ディレクトリアクセスプロトコル |
ndbm | (新しい) dbm 形式のハッシュファイル |
nis | ネットワークインフォメーションサービス (バージョン 2) |
nisplus | |
ネットワークインフォメーションサービス プラス (バージョン 3) | |
passwd | ローカルのパスワードファイル |
union | ユニオンマップ |
mount_type | |
(文字列、デフォルト = nfs) amd のすべてのマウントタイプで、 NFS が必須です。 つまり、実行しているローカルホストに対して、 amd はマップのマウントポイントにおける NFS サーバとなります。 もし "autofs" を指定すると、amd はエラーを記録し、 NFS に変換します。 | |
search_path | |
(文字列、デフォルト = サーチパスなし) ファイルマップに対するサーチパスを (コロンで区切った形式で) 指定します。 サーチパスを用いることで、 各サイトはローカルなマップのカスタマイズや上書きが可能になり、 必要に応じていくつかの場所にマップを分散配置させることができます。 | |
arch | |
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値) amd の変数 arch の値を上書きできます。 | |
auto_dir (文字列、デフォルト = /a) | |
amd
の
| |
cache_duration | |
(数値、デフォルト = 300)
amd
の
| |
cluster | |
(文字列、デフォルト = クラスタなし)
amd
の
| |
debug_options | |
(文字列、デフォルト = デバッグオプションなし)
amd
の
| |
all | 全オプション |
amq | amq(8) に登録する |
daemon | |
デーモンモードに移行する | |
fork | サーバを fork する |
full | プログラムトレース |
info | info サービスに固有のデバッグ情報 (hesiod, nis など) |
mem | メモリアロケーションをトレースする |
mtab | ローカルの ./mtab ファイルを用いる |
str | 文字列操作のデバッグ |
test | 完全なデバッグモードだがデーモンにしない |
trace | プロトコルのトレース |
dismount_interval | |
(数値、デフォルト = 120)
amd
の
| |
fully_qualified_hosts | |
(文字列、デフォルト = no) "yes" に設定すると、 amd は完全なホスト名 (fully-qualified host name) を用いて RPC 認証を行います。 システムによってはこの仕組みが必要です。 特にドメインにまたがるマウントを行う場合に必要となります。 この機能を有効にするため、 amd の変数 ${hostd} が用いられます。 ${domain} は空であってはいけません。 | |
hesiod_base | |
(文字列、デフォルト = automount) hesiod マップのためのベース名を指定します。 | |
karch | |
(文字列、デフォルト = システムのカーネルアーキテクチャ)
amd
の
| |
ldap_base | |
(文字列、デフォルト = 未設定) LDAP のためのベース名を指定します。 | |
ldap_cache_maxmem | |
(数値、デフォルト = 131072) LDAP エントリをキャッシュするために amd が使用する最大メモリ量を指定します。 | |
ldap_cache_seconds | |
(数値、デフォルト = 0) エントリをキャッシュに保持する秒数を指定します。 | |
ldap_hostports | |
(文字列、デフォルト = 未設定) LDAP のホストおよびポート値を指定します。 | |
local_domain | |
(文字列、デフォルト = サブドメインなし)
amd
の
| |
log_file (文字列、デフォルト = /dev/stderr) | |
amd
の
| |
log_options | |
(文字列、デフォルト = ロギングオプションなし)
amd
の
| |
all | すべてのメッセージ |
debug | デバッグメッセージ |
error | 重大ではないシステムエラー |
fatal | 重大なエラー |
info | 参考情報 |
map | マップエラー |
stats | より詳細な統計情報 |
user | 重大ではないユーザエラー |
warn | 警告 |
warning | |
警告 | |
nfs_proto | |
(文字列、デフォルト = まず tcp、次に udp) デフォルトでは、 amd は TCP を試行し、その次に UDP を試行します。 このオプションを使用すると、 すべての NFS プロトコルに TCP または UDP を強制します。 これは amd maps 中の設定に優先します。 amd が NFSv3 サポート付きでコンパイルされているが不安定な場合に有用でしょう。 このオプションを使用することで、 NFSv3 サポートが再度必要となるような時まで、 動的に (amd を再コンパイルすることなく) NFSv3 の使用を完全に止められます。 | |
nfs_retransmit_counter | |
(数値、デフォルト = 110)
amd
の
| |
nfs_retry_interval | |
(数値、デフォルト = 8)
amd
の
amd は、カーネルの RPC 再送信機構がマウントの再試行を引き起こすことに 依存しています。 nfs_retransmit_counter および nfs_retry_interval の値は、システム全体の再試行インターバルを変更します。 インターバルが長過ぎると、対話的な応答性が落ちます。 インターバルが短か過ぎると、リトライ回数が多くなり過ぎます。 | |
nfs_allow_insecure_port | |
(文字列、デフォルト = no) 通常 amd は、非特権ポート (Unix システムでは 1024 以上のポート) からの要求を拒否し、特権を持つユーザとカーネルのみが NFS 要求を送出できるようにします。 しかし、いくつかのカーネル (あるバージョンの Darwin, MacOS X, Linux) には、 ある特定の状況において非特権ポートを使用するバグがあり、 これによって amd は直ちに停止してしまいます。 このパラメータによって、多少セキュリティを犠牲にすることで、 そのようなシステム上でも amd を正常に動作させることができます。 amd のログに "ignoring request from foo:1234, port not reserved" のような メッセージがあった場合、このパラメータを有効にして、 もう一度試してみてください。 | |
nfs_vers | |
(数値、デフォルト = まずバージョン 3、次に 2) デフォルトでは、 amd はバージョン 3 を試行し、それからバージョン 2 を試行します。 このオプションを使用すると、 すべての NFS プロトコルに 3 または 2 を強制します。 これは amd maps 中の設定に優先します。 amd が NFSv3 サポート付きでコンパイルされているが不安定な場合に有用でしょう。 このオプションを使用することで、 NFSv3 サポートが再度必要となるような時まで、 動的に (amd を再コンパイルすることなく) NFSv3 の使用を完全に止められます。 | |
nis_domain | |
(文字列、デフォルト = ローカル
NIS
ドメイン名)
amd
の
| |
normalize_hostnames | |
(ブール値、デフォルト = no)
amd
の
| |
os | |
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値)
amd
の
| |
osver | |
(文字列、デフォルト = コンパイル時の値)
amd
の
| |
pid_file (文字列、デフォルト = /dev/stdout) | |
実行しているデーモンのプロセス ID を格納するファイルを指定します。 これを指定しない場合、 amd は自分のプロセス ID を標準出力にのみ書き出します。 実行後に amd を kill する際に便利です。 注意: 実行中の amd のプロセス ID は amq によっても得られます。 このファイルは print_pid オプションがオンの場合のみ使用されます。 | |
plock | |
(ブール値、デフォルト = yes)
amd
の
| |
portmap_program | |
(数値、デフォルト = 300019)
公式の番号とは別の、ポートマップ RPC プログラム番号を指定します。
これは複数の
amd
プロセスを実行させる場合に便利です。
例えば、メインの
amd
プロセスに全く影響を与えることなく、別の
amd
を
"test"
モードで実行できます。
安全のため、指定する別のプログラム番号は 300019 から 300029 まで
の範囲になければなりません。
amq
は、接続するための別のプログラム番号を指定するのに用いる
| |
print_pid | |
(ブール値、デフォルト = no)
amd
の
| |
print_version | |
(ブール値、デフォルト = no)
amd
の
| |
restart_mounts | |
(ブール値、デフォルト = no)
amd
の
| |
selectors_on_default | |
(ブール値、デフォルト = no)
"yes"
とすると、マップの
/default
エントリが検索され、そのマップ中の他のすべてのキーのデフォルト値を
設定する前に、すべてのセレクタを処理します。
あるパラメータに基づき、ある完全なマップに対して異なるオプションを
設定したい場合に有用です。
例えば、slip ベースの低速ネットワーク越しの
NFS
性能を改善するためには、次のようにします。
/defaults \ wire==slip-net;opts:=intr,rsize=1024,wsize=1024 \ wire!=slip-net;opts:=intr,rsize=8192,wsize=8192 | |
show_statfs_entries | |
(ブール値、デフォルト = no) "yes" とすると、ブラウズ可能なすべてのマップは、 "df" 実行時にエントリ数 (key 数) をあわせて表示します (この機能は、 statfs(2) 呼び出しに対して非 0 値を返すことで実現されています ) 。 | |
unmount_on_exit | |
(ブール値、デフォルト = no)
"yes"
とすると、
amd
は関知しているすべてのファイルシステムをアンマウントしようとします。
通常、
amd
はすべての
(特に)
NFS
マウントされたファイルシステムをそのまま残します。
注意:
restart_mounts
オプションまたは
| |
map_name | |
(文字列、必須) キーが配置されるマップの名前です。 | |
tag | |
(文字列、デフォルト = タグなし)
コンフィギュレーションファイルの各マップエントリにはタグをつけることが
できます。タグが指定されない場合、そのマップセクションは常に
amd
で処理されます。
タグが指定されている場合、
amd
に
| |
# グローバルオプションセクション [ global ] normalize_hostnames = no print_pid = no restart_mounts = yes auto_dir = /n log_file = /var/log/amd log_options = all #debug_options = all plock = no selectors_on_default = yes # config.guess は "sunos5" を選びました。 # 今のところこれを変えようとは思いません。 os = sos5 # "os" を設定後 print_version を有効にすると、設定後のものが表示されます。 print_version = no map_type = file search_path = /etc/amdmaps:/usr/lib/amd:/usr/local/AMD/lib browsable_dirs = yes# マウントポイントの定義 [ /u ] map_name = amd.u
[ /proj ] map_name = amd.proj
[ /src ] map_name = amd.src
[ /misc ] map_name = amd.misc
[ /import ] map_name = amd.import
[ /tftpboot/.amd ] tag = tftpboot map_name = amd.tftpboot
Jan-Simon Pendry <jsp@doc.ic.ac.uk>, Department of Computing, Imperial College, London, UK.
am-utils の他の作者並びに貢献者のリストが、am-utils と共に配布されている AUTHORS ファイルにあります。
AMD.CONF (5) | April 7, 1997 |
総合手引 | セクション 5 | English | オプション |
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“ | I define UNIX as “30 definitions of regular expressions living under one roof.” | ” |
— Donald Knuth |