環境
と呼ばれる文字列の配列は、
プロセス開始時に
execve(2)
を呼び出すことによって利用可能になります。
習慣によって、これらの文字列は
"
name=value"
という形を取ります。
以下の名前は多くのコマンドによって利用されます:
BLOCKSIZE
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いくつかのコマンド (最もよく知られている物としては
df(1),
du(1),
ls(1))
で用いられるブロック単位のサイズ。
BLOCKSIZE
には、数字を指定することによってバイト単位の値を、
数字の後に ``K'' か ``k'' を指定することによってキロバイト単位の値を、
数字の後に ``M'' か ``m'' を指定することによってメガバイト単位の値を、
数字の後に ``G'' か ``g'' を指定することによってギガバイト単位の値を、
指定することができます。
512 バイトより小さい値や 1 ギガバイトより大きい値を指定しても無視されます。
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COLUMNS
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ユーザの好みの端末幅を、コラム位置単位で指定します。
ls(1)
や
who(1)
といったユーティリティが、これを使用し、出力を指定されたコラム数に収めます。
設定されていないもしくは空の場合、ユーティリティは
ioctl(2)
呼び出しを使用し、端末ドライバに幅を問い合わせます。
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EDITOR
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デフォルトのエディタの名前。
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EXINIT
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ex(1),
vi(1)
が参照する、スタートアップ時のコマンドリスト。
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HOME
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login(1)
によって、パスワードファイル
passwd(5)
を元にセットされるユーザのログインディレクトリ。
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LANG
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LC_*
変数が設定されていない場合、
setlocale(3)
を使用する全てのプログラムを、この変数に指定されたロケールを使うように
設定します。
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LC_ALL
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LC_COLLATE,
LC_CTYPE,
LC_MESSAGES,
LC_MONETARY,
LC_NUMERIC,
LC_TIME,
LANG
に優先する値です。
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LC_COLLATE
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文字列の順序に使用するロケールです。
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LC_CTYPE
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文字のクラス分け (レター、空白、数値等) と、
バイトシーケンスをマルチバイト文字として解釈することに使用するロケールです。
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LC_MESSAGES
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診断メッセージに使用するロケールです。
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LC_MONETARY
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通貨の入力と整形出力に使用するロケールです。
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LC_NUMERIC
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数値の入力と整形出力に使用するロケールです。
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LC_TIME
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日付の入力と整形出力に使用するロケールです。
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MAIL
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ユーザのメールボックスの場所です。
mail(1)
や
sh(1)
、その他多くのメールクライアントが、デフォルトの /var/mail の
代わりに用います。
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NLSPATH
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LC_MESSAGES
が参照するメッセージカタログを探す、ディレクトリのリスト。
catopen(3)
を参照してください。
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PAGER
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デフォルトのページャプログラム。
mail(1),
man(1),
ftp(1)
などが、使用中のディスプレイよりも長い情報を表示するときに、
この変数で指定されたプログラムを使用します。
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PATH
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コロンで区切られたディレクトリの列です。
csh(1),
sh(1),
system(3),
execvp(3)
などが、実行ファイルを探すときに検索します。
PATH
の初期値は、
login(1)
によって、``/usr/bin:/bin'' にセットされます。
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PRINTER
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lpr(1),
lpq(1),
lprm(1)
によって用いられるデフォルトのプリンタの名前。
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PWD
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カレントディレクトリのパス名。
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SHELL
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ユーザのログインシェルのフルパス名。
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TERM
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出力を準備する必要のある端末の種類。
この情報は
nroff(1)
や
plot(1)
などの、端末の特殊な機能を駆使するコマンドによって用いられます。
端末タイプのリストは、
/usr/share/misc/termcap
(termcap(5))
を参照してください。
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TERMCAP
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TERM
で指定した端末の機能を記述する文字列、あるいは、文字列が `/' で
始まる場合、termcap ファイルの名前。
下記の
TERMPATH,
termcap(5)
を参照してください。
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TERMPATH
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コロンあるいはスペースで区切られた、termcap のパス名の列で、
端末の機能記述を知るために、列挙された順番で検索されます。
TERMPATH
を指定していない場合は、
TERMPATH
を
" $HOME/.termcap:/etc/termcap"
に指定している時と同じ結果になります。
TERMCAP
がフルパス名を含んでいる場合は、
TERMPATH
は無視されます。
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TMPDIR
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テンポラリファイルを置くための場所。ほとんどのアプリケーションは
"/tmp"
か
"/var/tmp"
を用います。この変数を指定すれば、他のディレクトリを使うようになるでしょう。
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TZ
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日付を表示する時に使われるタイムゾーン。
通常のフォーマットは、
" /usr/share/zoneinfo"
からの相対パス名です。
例えば、コマンド
"env TZ=America/Los_Angeles date"
は、カリフォルニアの現在時刻を表示します。
より詳しい情報は、
tzset(3)
を参照してください。
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USER
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ユーザのログイン名。
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これ以外の名前も、
sh(1)
においては
export
コマンドと
name=value
引数によって、
csh(1)
を使用している時には
setenv
コマンドによって環境に付け加えることができます。
.profile
ファイルでしばしばエクスポートされる、
MAIL,
PS1,
PS2,
IFS
などのいくつかの
sh(1)
の変数を変更するのは、自分が何をしているのか十分に理解していない場合には
賢明ではありません。